5月上旬に中国と韓国の棋士レーティングの順位が発表された。2ヵ国では、毎月の順位変動とポイントを月始めに発表される。中国では、規定のポイントに達すると段位が上がる仕組み。また、世界戦出場資格がある国家チームに属すために、一定の順位とポイントが求められる。(こちらを参照)
韓国の申眞諝九段は4月全勝(10勝0敗)で世界戦と含めて26連勝中。また、連続1位期間が29ヶ月(通算37ヶ月)であり、圧倒的な強さを見せている。なお、女流のランキングでは、崔精九段が102ヶ月連続1位(男女混合では20位)という記録を叩き出した。(こちらを参照)
日本では、3月18日に一力遼九段が棋聖を奪取し、序列1位となった。井山裕太九段は名人、本因坊、王座、碁聖の4冠へ後退。5月10日に開幕する本因坊戦七番勝負の結果次第では、世代交代が決定づけられるかもしれない。(こちらを参照)
日本碁界の段位
日本はレーティング制ではなく段位で序列を決めている。例えば、指導碁の料金やイベントの派遣など、段位で料金の差を設ける仕組み。棋士にとって、段位は生活に直結する大事な基準となっている。(こちらを参照)
また、女流特別採用、外国籍特別採用で棋士となった場合、三段以上で正棋士と認められる(翌年の4月1日付けより)。仲邑菫二段は英才特別採用推薦棋士かつ女性であるため、五段以上の昇段で正棋士となる。手合料などの差が生じる場合があり、この基準を越えることが、1つの壁となっているようだ。(こちらを参照)

日本碁界では、段位と基準の結びつきが強く、レーティング制度へ以降することは簡単ではないようだ。ただ、現時点で誰がどれくらい活躍しているか、数値で示された方がわかりやすいので、取り入れてほしいところ。