2月23日に「第24回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦」の第14戦がネット対局で行われた。韓国の申眞諝九段が中国の辜梓豪九段に勝利し、韓国が3連覇通算15回目の優勝を果たした。
白番の申九段が序盤から流れを掴み、好調のスタートを切る。その後も追撃をかわす隙のない石運びを見せて快勝。韓国が3連覇したのは2009年~2012年以来の快挙。今年こそ、韓国が世界一の地位を掴み取るのか、世界戦の動向に目が離せない。
第24回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦の詳細
日程 :第1R10/11~10/14、第2R11/25~11/29、第3R02/20~02/24
持ち時間:各1時間+1分の秒読み【日本】
一力遼九段、井山裕太九段(1)、許家元九段、芝野虎丸九段、余正麒八段
【韓国】申眞諝九段(1)、朴廷桓九段(2)、卞相壹九段、姜東潤九段(4)、申旻埈九段
【中国】柯潔九段、辜梓豪九段(2)、連笑九段(1)、柁嘉熹九段、范廷鈺九段(3)※()の数字は勝ち数
序盤研究の差
局面図1(力強い石運び)
黒1、3と封鎖する進行を選択するも、白4以下で上辺の白は簡単には取られない形です。続いて、黒Aは白Bと抵抗されるので――、
黒11のオキが眼を奪う手筋。ただし、白12以下と中央を補強すると同時に左辺の攻めを見られ、黒が苦しい戦いへ引き込まれました。
参考図1(相場の進行)
黒1から5と連絡するのが相場。白6と動き出されても、黒7と左辺を助け出して黒が悪くない戦いです。
勝利への確かな歩み
局面図2(隙のない収束)
黒1と左辺の白に迫った瞬間、白2以下と封鎖したのが冷静。白Aが利くため、左上の白は取られる心配はなく、白優勢が確実になりました。
参考図2(苦しい選択)
黒1と中央を補強した後、黒3と右上の攻防に賭けるしかなかったようです。この進行も白良しであり、黒は序盤の失点が響いています。