本因坊丈和は数多くの妙手や大石を取る力技を見せる一方で、布石構想も剛腕を活かす大胆な構想を描く特徴があります。本局は丈和の得意とする力勝負へ導く、序盤の大模様構築を紹介します。
本因坊丈和
1787年～1847年の棋士。12世本因坊丈和で本因坊元丈門下。力強い棋風で大石を仕留める棋譜が多く残されている。本因坊道策が「前聖」、丈和が「後聖」と評価されており、歴代屈指の名手である。（こちら参照）
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大模様構築のコツ
【局面図：△外山算節―本因坊丈和】
白１から５と中央の主導権を得た後、どのように模様を築くのかが焦点。丈和は左下の攻防から一気に勢力圏を拡大していきます。
正解図（力強い構想）
白１、３と左下の黒に迫る定石を選択。黒４から６に白７と左辺を封鎖するのが一連の狙い。黒８と左下の安全を図らざるを得ず、白９と大模様を築いて白好調です。
参考図（通常の定石）
部分的には白１、３と厚みを築くのは互角に近い定石。ただし、左辺方面の模様の規模が小さくなるため、白イマイチな定石選択です。