古碁に学ぶ次の一手【井上幻庵因碩編⑪】
幻庵VS.本因坊秀和――屈指の激闘譜
本局は井上因碩と本因坊秀和の争碁第2局。1842年5月16日から18日の2日半かけて打たれ、井上因碩が序盤からリードを奪った名局です。ただし、本局に敗れたことで「名人」への道が断たれました。
井上幻庵因碩
1798年~1859年の棋士。井上家の11世井上因碩で隠居後に「幻庵因碩」となった。当時、本因坊元丈と安井知得仙知、本因坊秀和とともに囲碁四哲と称された実力者。盤面全体を使う棋風で、大技を繰り出すのが魅力的だ。(こちら参照)
※前回はこちら
華麗に脱出するサバキ
【局面図:△本因坊秀和―井上幻庵因碩】
黒1、3と左辺で激しい競り合いが発生した局面で、井上因碩は手筋を駆使して序盤の主導権を握りました。
正解図(ツケの整形術)
白1が左辺の黒に働きかけつつ、左辺の安全を図る好手。黒2から4と反発されても、白7の切りで白有利な戦いへ導けます。黒Aは白Bで黒ツブレなので――、
黒8と受けざるを得ないところ。白9から11と形を決めた後、白13がAとBを見た脱出の手筋になります。
黒14から18で支えられる代わりに、白19以下と左辺の黒1子を飲み込んで白有利なワカレ。白は中央の黒への攻めも見て、白好調な序盤です。
参考図(見合いの筋)
黒2の切りは無理筋。白3でAのシチョウとBの2子取りを見合いにされて、黒が収拾つかない形です。







