3月15日に中国の「第18回倡棋杯」オンライン予選で、劉睿智初段がAI不正利用により、2022年3月16日から2023年3月15日まで中国棋戦出場停止処分、及び、野狐囲碁の実名アカウントも使用不可となった。具体的な不正方法などの詳細は発表されていない。劉初段は1996年生まれ、2019年に入段。(詳細はこちらとこちら)
本棋戦はコロナ下でオンライン予選を実施。組織委員会は各棋士に監督者をつけていたが、監督の責務を果たせなかったという。なお、規約では「AI使用した場合、1年間の出場停止および国家チームの追放」が明記されている。
ネット対局も処罰対象
2021年7月30日に、韓国の懲罰委員会で都恩教初段がネット対局でAI使用したことに対し、1年間の出場停止処分を決めた。韓国囲碁界は棋士入段試験でも不正が発生しており、厳しい処分を科している。(詳細はこちら)
日本碁界では、抜き打ちの持ち物検査の実施に加え、AI使用が発覚した場合の罰則が今年3月中に決定する予定。中国と韓国で難航している問題に、日本棋院がAI使用の抑止力となる罰則をどの程度科すのか注目だ。(詳細はこちら)
AI使用の証拠は?
極端なケースを除き、客観的な証拠を提示するのは難しい。「AIとの一致率」や「勝率グラフの傾向」が目安だが、トップ棋士がAIの候補手と約7割一致したケースもあり、証拠としては弱いかもしれない。ただ、棋士であれば「人間には打てない手」がわかると推測される。(中国と韓国の事例より)
また、日本棋院所属のアンティ・トルマネン初段は、AI利用検出の論文を出している。1つの評価基準は「手のスコア化」だ。1手毎の精度を算出することで、部分的にAIを使用されても検出できる可能性がある。(論文はこちら)
ついにプロの世界でもAIの使用ですか! 人間って弱い生き物ですね。